Coincidence and fate

So what's the use between death and glory?

NUMBER GIRLのライブを見た話

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 人生において「目標」っていうか「夢」みたいなの何個かあると思うんですけど。

もちろん「実現可能」なものと「実現不可能」なものがあって、その中でも「他力」で叶うものと「自力」で叶うものがそれぞれあると思います。

んで「他力」で叶えうる最高の夢が一つ叶いました。

それがNUMBER GIRLのライブを生で見る」でした。

2002年に突如解散してしまったこのバンドは、日本ロックシーンにおいてはめちゃくちゃ重要なバンドで、椎名林檎アジカンBase ball bearなどシーンを代表するアーティスト・バンドがはっきりと「影響」を公言している、つまり「バリヤバイ」バンドなんです。


Number Girl - ZEGEN VS UNDERCOVER (Live from FUJI ROCK FESTIVAL 2001)

 

僕が好きになった時にはとっくに解散してしまっていたバンド。

でも鬱屈した日々を救ってくれた数少ないバンド。

いつでもイヤホンから、テレビ画面から、僕を救ってくれたバンド。

それなのに一度もライブで見たことが無かったバンド。

そういう存在に直接出会える時、人はどうなるか。

 

 

 

 

 

 

特段実感がわかないんですよねーーー。

と、いうことで「見られるぞ」という直前になっても

「マジか?マジでナンバガがライブやるの?ホント??」

という気持ちが薄れなかったのですけど、いざリハが始まるとメンバー4人が全員おるではないですか。

ああ....いるねぇ...........。

と思う間もなく、舞台から音が、いや爆音が響く。

このイントロ!!

間違いないNum-Ami-Dabutzだぁぁぁぁぁぁぁぁあああああぁああ!!!


NUMBER GIRL - NUM-AMI-DABUTZ

イントロだけの披露でしたが、4人が出す音がガンギマリすぎて思わず46度の半透明になりました()

イントロを終えると向井氏がいつもの調子で「このあとよろしくー」と言って立ち去り、オーディエンスは期待感でざわ.......ざわ.............となっており、「これだ....ライブだ.....伝説が始まるんだ......」と極まっていました。

その後会場が暗くなり、ネクストアーティストに「NUMBER GIRL」の文字が。

それ以降僕は記憶を失いました。

 

というのは嘘で意外と冷静に彼らの出す音聞いていました。

もちろん内心興奮しているし、来る曲来る曲にいちいち「うひょー」とか「いえー」とか反応はしてたんですけど、自分が思っていたよりは冷静で、それにちょっと驚いたりして。

でもやはり終盤「OMOIDE IN MY HEAD」のイントロが始まった時には脳汁が出過ぎて頭おかしくなりそうでした。

この曲はNUMBER GIRLの代表曲で、その独特のイントロが特徴なんです。


NUMBER GIRL - OMOIDE IN MY HEAD (last live, last song)

「ドラムス、アヒト・イナザワ」という向井氏の掛け声で始まるこの曲は、アヒト氏のドラムをきっかけに各楽器がガッチャンガッチャンに音を鳴らして意図的にカオスな状態を作り出して、そこから段々とバラバラだった音が集約していき、最終的には楽曲がはじまる「キッカケ」へと繋がっていきます。

その流れは本当に彼らの技巧とリズム感と積み重ねられた修練の成果として成し遂げられる軌跡であって、普通のバンドが真似すると十中八九ケガするシロモノで。

だからこそこの楽曲が始まった瞬間にようやく僕の中で「伝説」だったものが、目前で動き出した実感があったのかもしれません。

音が凝縮され、爆発寸前まで抑えられ、最後の最後「ドン」と弾けた瞬間。自然と涙が流れていました。

ポケットに手を突っ込んで

センチメンタル通りを

練り歩く17歳の俺がいた

NUMBER GIRLOMOIDE IN MY HEAD

 この歌詞の通り、気持ちが17歳に戻っていくような、というか17歳当時の自分が抱えていた「NUMBER GIRLを生で聞けない鬱屈」みたいなものが、この瞬間に消化されていくような不思議な高揚感と多幸感がありました。これが「エモい」という感情なのか.......。

爆発して襲い掛かってくる音に身をゆだねていると、なんだか「ロックが好きでよかったなぁ」とか「生きていてよかったなぁ」とか思えてきました。

あぁやっぱ音楽はロックはすげぇ。

人の人生を揺るがして、救って、感動させて、人生観を変える。

久々にそう思えたのが幸せだったし、その感動を味合わせてくれたNUMBER GIRLに感謝したのです。

やっぱ、伝説は伝説になるべくして、なるんですよねー。

 

 

ということで明日またそんな伝説が動くライブがあるんでね、楽しみですね!