この土日でアニメ全話、コミックス19巻を読み終えただけのクソザコではあるものの、
なんとなくここまでの感想を書き留めておきたくてメモ書きを少しづつ残していく。
当然ちょっとしたネタバレがあるので、注意。
物語の中心に通底しているのは「永遠」というテーマだろうか。
老い、死に、朽ち果てていく運命にある人間。
それを否定する「鬼」。その思想の中心にいる鬼舞辻無惨という存在。
彼が求めるのは「永遠に尽きぬ生命であり、若くあり続ける肉体と精神」。
人の血肉(いのち)を食らうことで保たれる肉体。
切り落とされても再生することが可能な手足。
それらはまさしく「不変」の象徴であり、彼らの望む「永遠」そのものだ。
そんな鬼たちの形作る「永遠」とは、別の価値観を持つ「永遠」がぶつかり合う。
「鬼」と戦い続ける鬼殺隊。それを統べる産屋敷耀哉。
彼は短い人生を運命づけられた産屋敷一族であるからこそ、
「生命」と「意思」を繋いでいくこと、その繋がりが作り出す「絆」に
「永遠」を見出しているように思える。
人は戦えば傷つき、失った手足は元には戻らない。
消えた命の火は決して戻ることは無い。
けれどもその傷つきの中で得るもの、得たもの、
傷つき消えていった命が遺したものを繋げていくことで、
その思いを継ぎ、未来を紡いでいく人はどこまでも進化し、
変わっていくことが出来る。
その「変化」と「進化」にこそ、「人類」の「永遠」がある。
そしてそんな「変化」と「進化」の先には、柱がいて、炭治郎たちがいる。
現時点ではどちらの「永遠」が勝利を収めるのかわからない。
けれど、やはり炭治郎たちの紡ぐ未来を、「永遠」を、信じていたい自分がいる。
僕もまた、誰かの「想い」を繋いで生きている「人類」なのだから。